東北交通バリアフリーシンポジウム報告①

12月8日に行われましたシンポジウム「誰もが移動しやすい街にしよう!~全国各地の状況とJR仙石線蛇田駅から考える交通とバリアフリー~」の報告をさせてもらいます。
このシンポはJCILと仙台のCILたすけっと、被災地障がい者センター石巻の共催で、
震災後のまちづくりのなかで、バリアフリーを全面的に進めようという趣旨で企画されました。

JCILメンバーは前日の7日から仙台入りし、シンポの準備や宣伝活動を行いました。
印刷や資料の折り込み、特大プラカードづりくは、仙台駅前のAER(アエル)という高層ビルの28階にある公共施設をお借りしました。
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28階は展望スペース(?)もあり、すばらしい眺め。仙台市を一望できました。

看板の作成などをしてから、街頭へ。

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繁華街のアーケードでシンポの宣伝活動です。
寒かったけど、約1時間ビラを撒きまくりました。
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宣伝活動を終えて、アエルに戻り、打ち合わせをしようとしたところ、、、
突如、地震が。

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仙台は震度4。多くの地元の方が2年前を思い出したとのことです。
ちょうどエレベータに乗ろうとしたところで、ビルの放送がありました。
エレベータの点検が終わったのは約1時間後、皆無事で打ち合わせができました。

打ち合わせ後、交流会。8日当日は参加者が限られるため、前日にしました。
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12月8日はシンポ当日。
この日も、午前中にアーケード街で宣伝活動を行いました。
カンパをいただいたり、声をかけてもらったりと反応はよかったです。
仙台では、車いす使用者が大勢で行動することが珍しいことなのかもしれません。

シンポの会場は仙台市シルバーセンター。
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13時からシンポ開始。
最初に今福さんの基調講演です。
「私たちの復興はバリアフリーだ!」
当事者の戦いによって、2000年の交通バリアフリー法、06年のバリアフリー新法が勝ち取られた現在でも、車両・旅客施設のバリアフリー化は遅々として進まず、バリアフリーを謳いながらもできあがった設備がお粗末なものであること、年間300回以上のバス乗車をはじめ、数多くの車両に搭乗してきた今福さんの話は、リアリティーがあり、もっと活動が必要だと感じる内容でした。

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講演に続いて、各地からの報告。
石巻の石森さんからは、今回のサブタイトルにもなっているJR仙石線蛇田駅の問題。
石森さんが所属する被災地障がい者センター石巻は、蛇田駅の付近にあり、そこへ行くために、
週一度この駅を利用しています。
その際は、手動車いすに乗り換え、ヘルパーに支えてもらいながら階段を上り下りしているとのことです。
8段の段差の解消は、そう難しいことではないと思います。
実際にニーズがあるのに簡易の昇降機、スロープの設置を行わないJR東日本の怠慢です。

次にCILたすけっとの杉山さんの報告。
JRの仙台駅で電動スクーター(ハンドル型車いす)のかたが乗車拒否にあった事例です。
昨年の9月に仙台から長町南駅まで行こうとして改札を通ろうとしたところ、駅員に止められ、
JRから発行される乗車許可のステッカーを貼るように求められ、交付の申請書を渡されたとのことです。
結局その方は、乗車を諦め歩いて目的地まで行ったそうです。
これについてたすけっとでは、要請文を作成し、JRに抗議をしました。
電動スクーターについては、他の鉄道会社にも乗車拒否の事例が報告されており、
この形態の車いすへの無理解が根底にあります。
たすけっとでは、許可証の義務づけについても撤回を求めています。

JCILからは地下鉄ホーム柵設置運動と帝産バス問題の報告をしました。

討論と会場とのやり取りでは、石森さんから運動を続けていくモチベーションの維持について質問があり、会場にいた仙台の方からも同様の質問が出されました。
仲間を見つけて助けを得ながら、確かな情報としっかりした基本理念のもとに行動をすることが必要という回答でした(と、私は理解しています)。
昨日から来られていた、JCILのアドバイザ―的な存在の山名さんからも発言がありました。
介助のため席を外していて、発言の要旨はおさえていません。すみません。

17時にシンポ終了。
とても内容の濃いいいシンポでした。お客さんの動員が課題ですね。

その後、JCILメンバーは石巻に移動。
ホテルで次の行動について話し合いです。
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つづく。