2月8日生活保護引き下げ緊急学習会報告

1月末の、生活保護基準額引き下げの政府発表を受け、
京都からも抗議の声をあげていくために、
2月8日(木)、多文化交流ネットワークセンターにて、
生活保護引き下げに対する緊急学習会・意見交換会を行ないました。
 
反貧困ネットワーク京都事務局長の舟木浩弁護士、
及び、京都新聞論説委員の岡本記者
に基調報告をしてもらいました。
 
JCILの当事者メンバー、ユニオンぼちぼちのメンバー、精神障害ユーザーネットのメンバーそれぞれから、
生活保護受給の当事者からの発言もありました。
 
当日は、急な呼びかけにも関わらず、
60名ほどの方々が参集しました。
 
関係者の間での危機感を強く感じました。
 
しかし、まだ見かけるメンバーは身内が多かったです。
広く、この問題の深刻さが世間で共有されているとは思えません。
 
戦略ねりつつ、JCILとしても、この問題にしっかりと取り組んでいきたいと思います。
 
以下、当日記録係をしてくれた高橋さんの感想を転載します。(TW)
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高橋です。
勉強会に参加されたみなさん、企画報告された方々、お疲れ様でした。

僕自身は要約筆記班にいて、内容があまり頭に入らないシチュエーションだったのですが、簡単に報告させていただきます。

当日は前半に、舟木さんと京都新聞岡本記者から、生活保護基準額引き下げにいたる経緯と、今後の運動の展開や課題について、詳細報告がありました。

舟木さん岡本さんともに、生活保護と同じかそれ以下の所得水準の人たちーワーキングプアーが生活保護をとらずに生活保護バッシングに加わる現状をどうするか、と問いかけていました。ワーキングプアに響く言葉をいかにして獲得するか。そのためにも、ほとんど届いていない当事者からの声をきちんと聞くべきである、と。

後半は、当事者や支援者からの発言が続きました。JCILのAさんは、生活保護を利用する重度身体障害者の立場から、生活保護を受ける人たち全体に連帯を呼びかけ、「ときどき遊ぶことさえ制約されたら弱い自分は鬱病になって自殺する」「命をかけて闘う」という趣旨の発言をされました。

ほかにも、非正規雇用労働組合ユニオンぼちぼち、精神障害者小規模作業所ほっとハウス、障害者団体などから、内容の濃い発言が続きました。反貧困京都も関わっている、宇治市誓約書問題についての言及もありました。

最後に司会の渡邉さんは介助者の立場から、生活保護引き下げは介護報酬にも連動し、介助者の所得保障にも関わると指摘がありました。

主催者である矢吹さんからは、支援を受ける側であることを期待される障害者が、障害者だけの問題ではない生活保護の課題を通じて支援者になることの意味と難しさが語られました。また、そもそも障害者の所得保障が救貧政策である生活保護で行われていること自体の問題性にも触れられました。

僕の感想です。生活保護バッシングにさらされているのは、生活保護受給者だけではなく、生活保護バッシングに加担するワーキングプアもそうなのではないか、と感じました。ワーキングプアは無知だからバッシングに加担しているのではく(正確な知識でバッシングはなくならない)、バッシングの圧力の真っ只中にいるからバッシングに加わるのではないか、と。

当事者の声が大切だと勉強会で僕も感じました。他方で、当事者がバッシングの矢面に立つ状況を考えないといけない、と思いました。当事者の集まりや集会発言は、この圧力をみんなで共有してからでないと、企画の成立さえ危ういのかもしれません。

また、もし障害者の発言がバックラッシュを呼びにくいとしたら、それ自体が差別的で、と同時にだからこそ、重要な位置にあるのかもしれません。まず真っ先にJCが企画したことの意義を想いました。