ポモナ・リージョナル・センター

こんばんはー。
こちらは夕方6時。
今日最後の訪問先、ポモナ・リージョナルセンターの視察が終わりました。
とても大きな建物です。

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中はとてもきれいで整理されてますが、人気はなく、閑散としてます。
スタッフはほとんど、街へ出払っているようです。

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リージョナルセンターというのは、1969年に親たちの運動によってできたセンターのようです。

対象者は、
18才までに、
知的障害
自閉症
脳性まひ
てんかん
知的障害に類する障害
をもった方々です。
大きくみて、developmental disability
という障害をもった方々が対象です。
発育に係る障害ということかなー。
主に知的障害ですが、脳性まひも含まれます。
ここが、日本とアメリカのもっとも大きな違いのように思います。
アメリカでは
developmental disability
という重要なカテゴリーの中に、
知的障害と脳性まひが含まれます。

このセンターの主な仕事は、障害者が地域で生きていくのに必要なサービスの、コーディネートすることです。

IPPという、個々人それぞれに応じたプログラムが、本人や家族、サービスコーディネーター、学校関係者等が集まってつくられ、それに基づいて、カリフォルニア州よりそのプログラムのための予算がおります。
それを、各サービス提供事業者(ヘルパーサービス、グループホーム理学療法等々)が買い、本人たちにサービスが提供される仕組みです。
リージョナルセンターはプログラムの予算を決定する権限をもっているので、かなり重要なポジションを占めています。

提供されるプログラムは、かなり質の高いもののようです。
たとえば、先に紹介したラストリゾートの利用者には、月あたり250万の予算がおりるとのことです。
プラグラムは、その必要性が認められたら、ほぼ際限なく予算がおりるとのこと。

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センターのスタッフに話を聞かせてもらっているところ

リージョナルセンターの基本の目標は、どんな障害があっても地域で普通に自立生活を営むことです。
グループホームとかがゴールではありません。
障害のある方々が地域でなじみつつ一人暮らしするために、いろんなことを模索するようです。

リージョナルセンターの利用者は、質の高いサービスを受けれるので、対象者になりたい人が多いようです。
対象外の人たちは、どう暮らしてるのでしょう?
それはまたおいおい。

センターの建物じたいは、先にも記しましたが、閑散としており、当事者たちの匂いもなかったです。

見方にもよりますが、ここでは、よくいえば、よくコーディネートされた地域生活、しかしちょっと悪くいえば、場合によっては管理された地域生活、管理された一人暮らしが行われてるのかもしれないー、という印象ももちました。
スタッフも多種多様なので、担当の人のあたりはずれもあるだろうなー、とか^_^;

それでも、基本は、障害のある人が、「もっとも制約の少ない環境least restrictive envirnment」で暮らしていくことが原則として目指されています。制約になるようなことは、してはダメ!ということです。

なお、これまで、多くの重い障害の方が近くのランタマン州立精神病院に入っていましたが、2、3年前までかなりいた入院者も激減し、今では、5人になったそうです。
この病院はこの12月、つまり、今月で閉鎖されるということです。

ますます、地域社会へのインクルージョンが進んでいっているようです。

渡邉