【午後の部】 第30回国際障害者年連続シンポジウム 「 Coming soon! 2016年4月施行障害者差別解消法 ―街や社会はどう変わる!?― 」 ・・・午後の部

2016年3月27日(日) @ 京都アスニ―

 第30回 国際障害者年連続シンポジウム
「 Coming soon!  2016年4月施行障害者差別解消法  ―街や社会はどう変わる!?― 」

午後の部のご報告です。



午後の部の最初は、
JCIL劇団による4つの劇。実際にあった差別を、好事例も混ぜつつ熱演!

1.「ふたつの電気屋にて」

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一人で10万円の冷蔵庫を買いに行ったら
店員さんに子ども扱いされ、親御さんと来てねと言われる。
言語障害があるため、こちらの話を聞こうとしてもらえず
結局冷蔵庫を買えなかった
という内容。


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こっちは上記と対照的に、健常の大人と同じように一人のお客として接客。
言語障害があっても、こちらのニーズを丁寧に聞き取ってもらえて
希望の商品を選ぶことができた
という好事例。


2枚の写真を見比べただけでも、
1枚目は店員さんが上から見下ろして話していて
障害当事者はそれを仰ぎ見なければならずしゃべりにくそう。
対する2枚目は、当事者と同じ高さに目線を合わせてくれているので話しやすく
店員さんも聞き取りやすい姿勢ですね。



2.「病院での異性介助 あきらめたくない」

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病院での入浴時、人員不足などで男性の看護師が女性の障害者の入浴を担当。
でも当人にとってはものすごく苦痛なので、同性介助をあきらめたくない!
というお話。


病院や施設ではまだまだこういうところがたくさんあると聞きます。
病院だから...施設だから...人員不足だから...障害者だから...仕方がない?
本当にそうでしょうか?
興味のある方はこちらも参照ください。



3.「地域生活 ずっとこの家で暮らしたかったのに」

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ヘルパーを利用をして実家で一人暮らしをすることに、
ずっと一緒に暮らしてきた母親も賛成だったのにもかかわらず、
別に暮らしてきた妹が障害当事者本人の希望に反して
無理やり施設入所を決めてしまう
という内容。


障害当事者役のKさんの演技を見て、
YOSHIKIも真っ青!クラシックの演奏会なのにもかかわらずピアノの椅子から転げ落ちるんじゃないか
とハラハラするくらいロックな弾き方をしたピアニストを思い出しました。
つまり、YOSHIKIも真っ青!ロックな熱演!(三段論法)
・・・じゃなくて、それくらい強く主張したのにもかかわらず、
思いははないがしろにされてしまった、
いわんや気弱な主張をや
ですよね。



4.「地域生活 たっちゃんのひとりぐらし」

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知的・身体障害があり、親と同居で母が倒れた時に
周囲の大人はみな施設入所やショートステイをすすめ、一人暮らしに反対だったけど、
今はヘルパー利用をして地域で自立生活をしている好事例。


私も重度身体障害者ですが、ほんとに同じように思うので
シナリオの一部を以下にそのままご紹介。

「施設は、安心だからと、いうけど、それがええとは思わへん
安全なことだけ、守られている毎日。自由がない毎日。それでええとは思わへん。
福祉事務所の人たちや、みんな、みんな。知らんだけや。あたりまえに地域で暮らせたほうがいい。
安全・安心なことだけでは、「人」としての暮らしが出来ないのだということわかってほしい。いろんこと考えたら、この僕も楽しく地域で暮らせています。」



続いて
日本自立生活センター(JCIL)のおける差別解消の取組の報告

1.バリアフリー広め隊の活動報告

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実際に街に出てバリアフリー度をチェックした結果と途中経過の報告。
近所のお店への要望後の改善事例
新京極商店街振興組合へのインタビュー結果
先斗町通バリアフリー化の要望書提出内容
歴史的景観を大事にしつつバリアフリー化されている永観堂の紹介
など。


昔と比べたらバリアフリー化が進み、行ける場所が増えたけど・・・
やっぱり実際に行ってみてみないと分からないことも多い
というのが率直な感想です。
サブテーマは、「そよ風のように街に出よう!」
みなさんは、そよ風のように、障害のない人と同じように、
軽やかに出歩けていますか?



2.京都府権利条例相談窓口への相談事例の報告

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車止め(自転車バイクなどの侵入防止のため)が設置され、
車いすでその先へ行けなくなる問題。
「P型ゲート」が付けられて、大型の車いす使用者が通行できなかった阪急桂駅東口
入口に柵ができて入れなくなった三条河川敷。
交渉の結果、阪急の方は片側のPの上の部分を撤去、
三条の方は1か所の柵のポールを1本切断。

以下の投稿も参照。



両方ともどうにか通れるようにはなったものの、ギリギリすぎて車いすの操作が難しそうでした。
「基準は満たしている」という行政の回答ですが、
差別解消法によって即座にその先へ意識が行くようになるといいですね。



3.障害当事者による、京都市バス職員研修の報告

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京都市バスの新規採用乗務員の研修報告。
車いすに乗ってバスの昇降体験やグループディスカッションも。

詳細はこちら。


こういう地道で継続的な活動のおかげで、ほぼ車いすで利用可能な今日の市バスがあり、
利用しやすくなっていっているんですね。
新人の私としては、先人の(または現在も活動中の)当事者の姿や
切り開いてきた足跡が間近で見られるのがとても興味深いです。
そして知らないうちに、でも意外と直接私はその恩恵にあずかってたんだなぁ
と感慨深くもあります。



続いては、
バス乗りオタクの名物おじさん登場!

講演 今福義明氏 (アクセスジャパン代表)
「差別解消法にも限界はある!?」

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今福さんが京都で自立生活をしていた頃~80年代のアメリカでバスに乗りまくる~90年前後JCILパーフェクトバスを走らせる会~94年東京へ移住してからも電動車いすでバス三昧の日々
というお話。


狂気の乗車回数、オーバー3,600!(2006~2015年)
ご本人もやけくそだとかおっしゃってました(笑)
で、差別解消法のどこに限界があるっていうお話でしたっけ?
他が色々インパクト強すぎて覚えていません。ごめんなさい(^^;)
(どなたか助け舟を。)



プログラム終盤、
全体をふりかえってのディスカッション
登壇:加藤氏、松波氏、今福氏
進行:下林慶史(JCIL)、渡邉琢(JCIL)

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会場の方から、
自立生活センターを立ち上げたが、その文化のない地域でどう広めていったらいいか?
差別解消法施行によって出てくるかもしれないマイナス事項にどう対処するのか?
といったような質問をいただきました。


おかげさまで、時間のわりには中身のあるディスカッションになったのではないかと思います。
が、やはり時間切れの感が否めませんでした。
次回はもっとたっぷりお時間を取りたいところです。



最後は、JCIL香田事務局長のごあいさつで閉幕。

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最後になりましたが、ご来場くださったお客さまとすべての関係者の皆さま、
誠にありがとうございました。
おかげさまで無事このシンポジウムを終えることができました。
また、アンケートに答えてくださった方々、貴重なご意見をありがとうございました。
今後の参考にさせて頂きたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。


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以上、長くなりすぎましたが、午前と午後の部の2回に分けて、新人のオカヤマがお伝えしました。
なお、感想やコメント的に書いている部分はJCILの総意ではなく、私個人の意見です。やっぱ主観も入れないとつまらないじゃないですか〜。で、新人なので何かやらかしていてもみなさん許してくれはるんじゃないかと期待してますが、ちょっとあかんのちゃうかなぁと思う部分があったら教えてくださいね。新人が付け焼刃の知識をフル活用して全力で応対します!(不安...)