生活保護引き下げ反対訴訟 控訴審 報告

3月6日、大阪高裁において生活保護引き下げ取消訴訟控訴審第3回期日が開かれましたので、メンバーが現地に行きました。
前回から被告である国側の訴務検事がプレゼンを行い、原告側の主張に反論をしていますが、今回も同様でした。
パワポを使って約40分話をしていましたが、その内容は(理解が追い付かない箇所が多かったですが)、引き下げのうち、デフレ調整分580億円とゆがみ調整分90億円について、その引き下げの正当性を主張するものでした。


デフレ分ですが、2007年時に物価の下落分について十分に引き下げが行われなかったものを2013年に反映させた、独自のCPI(消費者物価指数)は、家賃や教育、車などの項目を省き生保利用者の実態に合わせたもので正当なものだ、などと主張しました。
ゆがみ調整分については、所得下位10%(第一・十分位)と生活保護利用者との差が広がったことで、その調整をしたとしました。

 

続いて原告側の弁護士のプレゼン、森田弁護士が務めました。 
森田さんは生活保護CPIにテレビとパソコンを入れ、物価が大幅に下がったことによる保護費の引き下げを批判しました。
国側は生活保護利用者の中でもPCとテレビの保有率が高い事を理由に、この二つの品目をCPIに加えましたが、森田さんは普及率ではなく支出割合が問題だと指摘しました。
実際、2010年の生保利用者のPC・AV機器の支出割合は保護を利用していない世帯と比べてかなり少なくなっています。
2008年の指数の作成に本来使うべき2005年ではなく2010年のウエイト(購入割合)を使用した点も大きな問題です。
森田さんはこの点を「厚労官僚の専門的知識の欠如に起因する初歩的な誤り」と断じました。
計算方式も下落率が高まるやり方を選択している点も大きな問題です。

控訴審に移り、被告とのやり取りが増えて見ごたえがある裁判になっています。


裁判後、別の会場に移り報告集会がありました。
裁判の振り返りと会場からのアピール、大いに盛り上がりました。
先日の宮崎地裁の勝訴があり、ここにきて大きな勝利の流れが出来ています。
裁判官も他の判決を気にしており、この流れが続くことを期待したいです。
次回期日は7月31日です。
今後、4月14日に大阪訴訟の判決が大阪高裁であり、4月11日奈良、4月15日大津、5月26日には千葉で判決があります。
生保引き下げ撤回の実施につながるよう、運動を継続していかなければなりません。
4月17日には院内集会があり、国会議員への陳情なども行われます。