京都から宮古へ⑤

 4月3日。今日は、昨日のうちに連絡を取っていた作業所を訪問する。日曜日に訪れた田野畑駅から少し離れた所にある「ハックの家」だ。
 被災地センターから、約50キロほど北の所にある「ハックの家」は、昨年の災害までは、水産加工の仕事をメインにしていた作業所だった。
 ところが、津波によって水産加工場が全滅し、下請け作業を回してくれていた親会社がつぶれてしまったために、そこからの仕事はほとんどなくなってしまった。 急きょ、今までは、サブ的に好きな人を中心にやっていた「沙織折り」をメインにするしかなかったという。
 作業所の代表である竹下さんは、今年に入ってから、京都にある「風工房」のアトリエで作品展を行った経過もあり、その時の出会いが始まりで、今回の訪問となった。
 沙織折りによるバッグ、財布、携帯電話ケースなど、様々な製品があるのだが、いずれも上品な色調で、オリジナル性に富んでいたものだ。 三陸鉄道で通っている人もいれば、近所の方もいたのだが、いずれも障害のある方だ。
 作業場の一部を被災者の避難場所として提供していたために、しばらく使えなかった場所を改修し、パンの専門家から作り方を教えてもらった技術で、今度はパンの製品も売り出すという。
 
 しかし、問題も多い。どんなに良い製品を作り出しても、地元だけの購買力だけでは売り上げが伸びないのだ。京都、だけではないのだが、うちのお店でも商品を預かっても良いよ、と言って下さる団体や個人の方。ぜひぜひ、その商品を預かって下さる片を募集します。
 窓口は、日本自立生活センター利用会員事業部「生活福祉社」で行う予定。もちろん、直接お問い合わせくださるのもオーケー。詳しくは、このシリーズ最後の日にお知らせします。
 
(続く)