一所懸命のそれぞれの人生

お酒を飲めば運転出来ない。
だから、遠くのお店で食事をする場合はお酒を飲めない。
家の近くで、車いすでも入れて、雰囲気もまあまあと言う所(飲食店)はないだろうか。
新しい所に引っ越してきてからなかなか適当な所が見つからないので、新しいお店探しを始めた。
あるお店に飛びこみで入ってみた。
縦に長く奥行きのあるお店だが、入って右側がカウンター、反対側には座敷がある。
座敷に上がるのも面倒で、カウンターに席を決めた。
先に入っていたお客さんが、少し場所を譲ってくれたおかげで入り込めた。
両隣りに座っていたおっちゃん(?)たちが「俺も障害者だ」とか良いながら、色々と話しかけてくる。そして、聞いてもいないのに自分のことを話し始め、私のことも聞いてくる。
いわゆる「赤ちょうちん」で、若い時には毎晩のように友人たちと出かけていたことを思い出す。
毎日毎日、何事も障害者運動と結びつけていたのでは楽しくもないかも知れないが、意識するとかしないとかに関わらず、周りの視線は自分が障害者であることからは逃げられない。
幸い、年齢的なこともあり、このようなおっちゃんとの話も、経験談や人の話を聞いてしまうようになる。
時間の経過と共に、身体の力も少し抜けてくる。
 
あれ? でも、私はお医者さんから「お酒は飲まないように」って言われてたんだっけ。
これ、内緒だよ……。